Nishio Column

もっと、ずっと、暮らしに笑顔を

Vol.22


外から光を取り込み
カーテンのいらない暮らし

海外映画などで時折見かける、カーテンレスで外への視界が清々しいぐらいに開けた空間。それは大きな邸宅で、隣近所とも離れているからできること、と思いますよね。でも諦めることはありません。工夫次第でカーテンとさよならし、最大限にその良さを楽しむアイディアを紹介します

1.2階リビングで開放的な空間に

カーテンレスな大きな窓に憧れる、とはいっても実際には開放感を得られる期待の一方でやはり、外部から丸見えであることに抵抗を感じてしまう方もいらっしゃるはず。おすすめなのは2階リビング。2階リビングを囲むように広めのテラスを設置することで、光と景色を取り込むことができます。外部からの視線をシャットアウトしてしまえば、窓は完全カーテンレスで。

2.窓の向きと窓の外に工夫してカーテンレスを

カーテンレスを実現するためにもう1つ方法としてあるのが、中庭・坪庭を設けること。
中庭・坪庭を設けると、そこはそもそも完全に閉じられた空間、そこに向かって窓を設ければ、その窓についてはカーテンは一切必要がありません。
部屋の窓1ヶ所でもカーテンが必要なくなると、それだけで空間の圧迫感もなくなります。

3.内と外との曖昧な境界線が生み出す繋がり

開放感あふれるカーテンレスの良さをより最大限に活かすために、テーブルに座った時視線はやはり開口部に向かった方が気持ち良く、自然と外へと一歩出たくなるでしょう。

 

誰にも邪魔されない中庭でのんびりBBQをしつつも、カーテンレスなのでお部屋の中にいる人と、外からのコミュニケーションも楽々に。

4.設計力で絶妙な高さの腰壁を

リビングやダイニングルームであれば、窓の外を完全に視線の高さまで壁を高くしない方法を考えてみるのも1つ。窓から少し余裕をもってベランダないしテラスを設けることで、窓をから距離をとる。そして、内と外から見える高さを計算した上で腰壁の高さを設置。ソファーに座っている際は外からの視界を感じることなく景色だけを堪能して、リラックスできるような設計している。壁ではなく腰壁にすることで、半分は視界が開けているので、より開放感も感じられるはず。

 

5.思い切りることでカーテンレスも十分な採光も実現

せっかくカーテンレスにするならばその分太陽の気持ち良い光と、ぽかぽか陽気をたっぷり取り入れたいもの。それには可能な限り窓を大きくすること、これにつきます。ただ窓を大きくすればそれだけ外の視線を気にはなるもの。
そういうときは思い切って窓の外に十分に広いテラスをとってしまいましょう。
完全なプライベートビーチをもつ、そんな感覚に近いかもしれません。誰の視線にも邪魔されずご自身だけの、すっきりした贅沢な空間を。

憧れのカーテンレスを実現するには、カーテンレスにしたい窓を含めて家全体での構造を考えるのがポイントです。どうしたら視線をうまくシャットアウトできるのか、壁を設けるにしても窓からどれぐらいの距離のところに、どれぐらいの高さが圧迫感なく快適に感じるのか。完全な壁でなくとも、格子状にする方法もあるかもしれません。ぜひご自身の感覚と向き合って、快適なカーテンレス空間を作ってみませんか。

Vol.22

外から光を取り込み
カーテンのいらない暮らし


一級建築士西尾 猛裕

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