Nishio Column

もっと、ずっと、暮らしに笑顔を

Vol.19


家族で使う
多機能コンパクトな書斎スペース

 

書斎というと、大きな重厚感のあるデスクや椅子が鎮座し、壁面には大きな本棚があり重々しい雰囲気というのがひと昔前のイメージだったのではないでしょうか。本の香りに包まれた落ち着いた空間も良さがありますが、資料はパソコンやインターネットで調べる時代となり、広々とした個室の書斎の必要性も無くなってきました。しかし生活の中で、調べ物にパソコンに向かったり読書をしたり、ダイニングではやりづらい裁縫や趣味を気軽にできる多目的なスペースは必要だ、という方も多いのではないでしょうか。今回は家族が使いやすい多目的な書斎スペースをご紹介いたします。

1.明るさいっぱいの書斎スペース

吹き抜け横に設けられた書斎スペース。通路から一段下げることで、オープンな空間の中でも書斎スペースとして区切ることができます。窓からたっぷりの陽光が注ぐ、明るい空間に。こうした書斎スペースだと、やる気のない朝も仕事や勉強をする気力がむくむくと湧いてくるはず。爽やかな空気が入ってくる書斎スペースでの朝の仕事、勉強はとてもはかどること間違いなしです。

 

2.洗面スペース横の書斎スペース

洗面スペース横に書斎スペースとなると少し不思議な、見慣れない配置と思われるかもしれません。こちらも通路を利用した書斎スペースになります。こちらの小さなスペースは背面に大きな本棚を設け、窓から見えるきれいな景色を眺めながら、本を読むなど落ち着いた雰囲気で楽しめます。

 

3.家事と並行して使う半個室風な書斎スペース

書斎で仕事などをしていると、どうしても体が凝り固まったり集中力が途切れてきたり、あるかと思います。そんな時はたちあがって何か少し違う作業をするとスッキリして、また集中して仕事ができるということはよくあります。
こちらはランドリースペースと併設してはいますが、壁を設けて独立性を高め、作業に集中することもできますし、間にちょっとした家事も同時に行える間取りとなっています。
多世帯での生活ではこのような半プライベートな空間が、日々の生活を円滑にしてくれるでしょう。

4.遊び心とゆとりを忘れない書斎

書斎は仕事や勉強をしたりする空間ではありますが、ほどよい遊び心とゆとりはお忘れなく。デスクの向かいの壁は深みあるブルーの壁紙で遊び心を。色の効果は大きく、デスクまわりは真っ白にまとめるよりも色の効果を調べて上手に取り入れると集中力がましたり、リラックスできたりするそうです。
集中しているとキッチンに降りるのも時間がもったいないなんてこともあるかもしれません。そんな時は、書斎にも小さなシンクを併設してみるのはいかがでしょう。一緒に仕事しているパートナーにお茶を一杯いれ、2人でHave a breakもいいかもしれません。

5.動線上に書斎スペース

書斎といいますとクローズドなものを想像しがちですが、開放的な書斎スペースはいかがでしょうか。階段を登った踊り場のところにデスクを構えたカジュアルな書斎スペース。家族が移動する動線上にあるので、仕事などをしつつも通り過ぎるご家族とちょっとコミュニケーションをとることもできます。お互いの姿が見えるので「ちょっと一休みしたらどう?」とコーヒー一杯とともに声もかけやすそうですね。

6.キッチン横の家事コーナ兼書斎スペース


こちらはキッチン横に設けた書斎スペースです。料理中は目が離せないこともあり、どうしても過ごす時間は長くなりがちです。キッチン横にちょっとした作業が行えるスペースを用意することで、隙間時間も有効に使うことができる空間になります。

家族の生活にあわせ、個室のスペースを取らなくても使いやすく明るい書斎スペースは可能です。事例を参考に、使いやすい書斎スペースを検討してみてはいかがでしょうか。

 

Vol.19

家族で使う
多機能コンパクトな書斎スペース


一級建築士西尾 猛裕

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