Nishio Column

もっと、ずっと、暮らしに笑顔を

Vol.10


おしゃれなキッチン収納があると、
料理や家事がもっと楽しくなる

 

LDKは家の中で、家族が一番集まる場所であり、お客さんが来た時にはおもてなしをする場所でもあります。その中でも重要なポジションを担うのが、キッチンではないでしょうか。家族が団欒するにも、来客をもてなすときも、食べ物や飲み物を準備するという作業が必要不可欠です。

そういう意味ではキッチンは家族のプライベートな空間でありながらパブリックな空間でもあるわけです。家族みんなが使いやすくするには、手の届く範囲に毎日使うものがあることが理想ですが、来客時にはそういった生活感を隠す必要があります。そこで、必要になってくるのがキッチン収納のアイデアです。今回は、キッチン収納についての事例を見てみましょう。

1.隠す収納として優秀なグレーの扉のついた背面収納のあるキッチン

リビングダイニングからキッチンを見ると、カウンターキッチンの前面の壁が立ち上がった構造になり、手元やキッチンの内部が隠されています。このようなキッチンでは少しぐらい洗い残しの食器が有ってもお客様からは見えません。

また、背面には扉付きの収納がありますので、食器や必要なものをしまって扉を全部閉めてしまうと、生活感のないスッキリとしたキッチンとして見せることが出来ます。カウンタータイプのキッチンにすることで、ダイニングテーブルに座る家族やお客さんとも顔を見ながら会話が出来ますので、コミュニケーションもとりやすい形と言えます。

2.まるで素敵なレストランのような見せる収納

生活感を見せないためには、見えないようにするという事も一つの方法です。リビングのソファに座った時に、キッチンの下部が見えないようにソファの配置を工夫すること生活感を隠すことに成功しています。

キッチン自体はカウンタータイプでオープンな作りですので普段の家族との食事の際にはコミュニケーションは取りやすい作りになっています。また、背面の棚も見せる収納になっていますので、デザイン性の高い食器や家電などを配置すれば、さらに生活感を隠したクールな印象のキッチンに。

3.何かと便利で使い勝手の良いキッチン手前の収納

キッチンの手前に収納を作った例です。キッチン内には、毎日使うものと一年のうちに数回しか使わないけど、でも必要なものがあります。こちらの事例のように、キッチンの前面に収納を使って、使用頻度の低いものを収納しておけば、キッチン背面にある収納には普段使いの物をしまっておけますし、モノがあふれるという事もないでしょう。

また、キッチン前面に収納があることで、家族が手伝いをしやすい動線になっているという事も言えます。さらには、ダイニングテーブルを子供の勉強スペースとして使っている場合にも、調理が終わればすぐに収納に勉強道具をしまって食器などの準備が出来るという使い方も出来ますね。そして、キッチン横にも本や雑誌を収納できるスペースがあります。料理本やコーヒータイム・子ども達の絵本などもおしゃれに収納できます。

 

キッチン収納の考え方や作り方によって、そこでの生活スタイルも違ってくる事がお分かりいただけたかと思います。家族とコミュニケーションをどうとりたいか、生活感を徹底的に排除するのか、ある程度許容するのか、という事も含めて考えると、モノをどうしまうといいかという事もおのずと見えてきます。

家族で過ごす家の中の暮らし方について、もしある程度想像できているならば、そこから自然にキッチン収納の形が見えてくるかもしれませんね。

Vol.10

おしゃれなキッチン収納があると、
料理や家事がもっと楽しくなる


一級建築士西尾 猛裕

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