Nishio Column

もっと、ずっと、暮らしに笑顔を

Vol.09


最初に目にする場所だから、
印象的な玄関にしよう

 

玄関はお客様を出迎える最初の空間です。ただ靴を脱いで収納するだけの場所にするのは勿体ないですよね。こだわった家づくりのコンセプトを玄関でも表現してはどうでしょうか。家に遊びに来たお客さん達はもちろん、普段使う家族も毎日見て楽しめて、快適な空間にしましょう。

 

例えば玄関と生活空間を区切らずにオープンにすることで、限られた空間であっても有効に活用することが出来るようになりますし、広く見せることも出来ます。玄関をただの通過点ではなく、楽しく過ごせる、使えるように作った事例を見てみましょう。

1.大きなシューズクローゼット

玄関で過ごすという表現はピンと来ないかもしれませんが、最近は玄関にウォークインシューズクローゼットや収納スペースがある事例も増えています。玄関に収納を集約すれば探し物をする時間が減りますし、見せる収納にすれば、そこで物を選ぶ時間も楽しくなるでしょう。家族の使う分だけ棚を作れば、各自で管理が出来るのもいいですよね。また土足のままアクセスできるのも使い勝手がいい仕様です。このように玄関スペースに収納があれば、玄関土間に靴がなくスッキリした空間になり、いつでもお客様をお迎えできるようなスペースとなるでしょう。

 

2.玄関が部屋の一部になったような自由な空間

玄関扉を開けると奥まで続く土間空間が。外からのごみが入るのを防止し、雪を奥まで持ち込ませないように段差を設けたこちらの事例。土間を作ることで、玄関と室内の境界線を曖昧にし、一体化したオープンスペースのような印象になっています。土間の通路を少し曲線にすることで、この先には何があるのだろうというワクワクした気持ちで、家の内部へ入って行けそうですね。土間を通して、階段のパブリックゾーンと寝室側のプライベートゾーンの境界線を、曖昧ながらも切り離し、ゆるやかで過ごしやすいい場所となっています。

 

3.中庭を愛でる、癒しの空間としての玄関

扉を開けると長い土間の奥にある中庭の緑が目に飛び込んできます。京都の町家のような癒しの空間と言えそうですね。空間には限界がありますが、玄関を正方形に広く造れない場合でも、このように長さを取ることでスペースは確保できます。また、リビングともオープンにつながっているので、広々とした印象を与える玄関です。来客時などにリビングとの仕切りの扉を閉めた場合は、この奥行きのある土間が、奥の中庭の緑をより一層印象的に見せることが出来るのではないでしょうか。

 

今までは、玄関をどう作ろうか? という観点で考えたことがなかった方もイメージが広がったのではないでしょうか。もっと、既成概念に縛られない自由な発想で、玄関と言う空間を捉えてみてもいいのかもしれません。自分たちがどういう暮らしをしていきたいのかを考える時に、玄関も一体でプランニングしていくと、より快適な家づくりが実現出来るのではないでしょうか。

 

Vol.09

最初に目にする場所だから、
印象的な玄関にしよう


一級建築士西尾 猛裕

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